こんにちは。小倉運送株式会社です。地球規模で進む気候変動や環境問題が深刻化するなか、物流の世界でも、二酸化炭素(CO₂)排出量の削減が喫緊の課題となっています。私たちの生活を支え、ビジネスを動かす「物流」は、まさに社会インフラの一部。そこで重要視されているのが、トラック中心の輸送手段を見直し、より環境負荷の低い交通手段へシフトしていく「モーダルシフト」という考え方です。
当社では、モーダルシフトを軸にCO₂削減やドライバー不足への対応を図りながら、効率的な物流サービスを提供できる体制を整えています。本記事ではモーダルシフトの基本から、私たち小倉運送の具体的な事例、さらには今後の展望にいたるまで、できるだけ詳しく解説していきます。物流業界や環境問題に興味のある学生の皆さん、これからの社会を担う若い方々に向けて、少しでも参考になれば幸いです。
1. モーダルシフトとは何か
2. なぜ今、モーダルシフトが求められるのか
3. 私たち小倉運送の具体的な取り組み事例
4. モーダルシフトがもたらすメリット
5. 導入における課題と解決策
6. 政府・自治体・企業による後押しの動き
7. 今後の展望と技術革新の可能性
8. 学生の皆さまへのメッセージ
9. まとめ:持続可能な物流と社会の実現をめざして
モーダルシフト(modal shift)とは、貨物の輸送手段(モード)を見直し、トラックなどCO₂排出量の大きい輸送方法から、鉄道や船舶など、より環境負荷の小さい輸送モードへ切り替える取り組みを指します。日本語では「輸送モード転換」などと訳されることもあります。
現在の日本における物流の大半はトラック輸送に依存しており、そのためCO₂排出量だけでなく、ドライバー不足や長時間労働など、さまざまな課題が浮き彫りになっています。モーダルシフトは、こうした課題を根本から解決する有力な手段として、行政や企業、そして私たち物流事業者の間で大いに注目されるようになりました。
欧米をはじめとする先進国では、鉄道網や内陸水運が発達しており、日本より早くから大規模なモーダルシフトが推進されてきました。国内でも、港湾や鉄道を活用した大規模な貨物輸送体制を整え、長距離区間を船舶や列車に任せるケースが増えています。私たち小倉運送も、まさにこうした流れに積極的に乗りながら、独自のサービスを展開しているところです。
地球規模での気候変動が深刻化し、温室効果ガスの削減は国際的な取り組みとして急速に進んでいます。日本政府も、2050年までにCO₂をはじめとする温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の目標を掲げました。物流分野も、CO₂排出量を削減していくことが社会的要請となっているため、モーダルシフトはその大きな柱となっているのです。
日本国内の貨物輸送は、約9割がトラックに依存しているといわれます。確かにトラックは機動性が高く、ドア・ツー・ドアで荷物を運びやすいという利点がありますが、一方でドライバー不足や過重労働、長距離輸送時のCO₂排出増などが課題となっています。また、トラックを増やし続けることで交通渋滞や道路インフラの負担も増大し、社会全体のコストも膨らんでしまいます。
物流は企業活動だけでなく、私たちの生活にも直結する欠かせないインフラです。インターネット通販の拡大や高齢化社会の進行に伴って、これからも一定以上の輸送需要が見込まれます。その一方で、持続可能な社会を考えるうえでは、環境負荷を可能な限り低減し、ドライバーが長く安心して働ける仕組みをつくることが求められています。そうした背景からも、モーダルシフトが大きくクローズアップされているのです。
当社は北九州市小倉南区を拠点に、九州地方から本州各地へ、さらには全国規模でさまざまな輸送サービスを展開しています。ここでは、私たちが注力しているモーダルシフトに関連する取り組みをいくつかご紹介します。
北九州・福岡エリアは、鉄道網や港湾施設が比較的整備されている地域でもあります。当社ではその地理的な優位性を活かし、鉄道コンテナ輸送やフェリー輸送を積極的に導入することで、CO₂排出量の削減と輸送効率の向上を図っています。
• CO₂排出量を低減: トラックのみの長距離輸送に比べ、鉄道やフェリー輸送は排出係数が大幅に低いため、環境にかかる負荷を抑えられます。
• ドライバー不足への対応: 長距離部分を鉄道や船に任せることで、トラックドライバーの拘束時間を削減し、労働環境の改善につなげています。
当社が展開するSea&Railサービスは、海上輸送(Sea)と鉄道輸送(Rail)を組み合わせた複合輸送の仕組みです。具体的には、貨物を船で主要港まで運び、そこから鉄道を利用して内陸部へ輸送。最終的にはトラックで目的地まで届けるという流れになります。
• 大量輸送が可能: 船と鉄道を連動させることで、一度に大量の貨物を効率よく運べます。
• コストとスピードのバランス: 航空輸送ほどコストがかからず、かつトラックのみよりは速いケースもあり、適度なスピード感を確保。
この複合輸送システムは、企業の物流コスト削減だけでなく、環境負荷の低減、さらには交通量分散による道路混雑の緩和にも貢献します。
私たち小倉運送では、GPSや自動配車システムを活用し、トラック運行をリアルタイムで管理する「見える化」に取り組んでいます。
• 効率的な運行管理: 荷物やトラックの位置情報を即座に把握し、最適なルートや積載を組み立てることで、空車走行や無駄な時間を大幅に削減します。
• ドライバーの労働環境改善: リアルタイムの運行管理によって、過度なスケジュールや長時間労働を回避し、安全運転をサポートします。
こうしたテクノロジーの導入は、モーダルシフトによる複数の輸送モードをスムーズに連携させるうえでも非常に重要です。
モーダルシフトの最大の利点は、やはり環境負荷の軽減です。トラックのみの長距離輸送と比べ、鉄道はトラックの約1/10、船舶は約1/5程度のCO₂排出量と言われており、同じ距離と貨物量を輸送しても格段に排出量を抑えることができます。これは企業のサステナビリティや、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献としても非常に大きなアピールポイントです。
社会問題化しているトラックドライバー不足や、慢性的な長時間労働も、モーダルシフトによって一定程度解消が期待できます。なぜなら、長距離区間を鉄道や船舶に任せれば、トラックドライバーは中・短距離やラストマイルだけに集中できるため、拘束時間を減らすことができるからです。ドライバーの負担軽減は事故防止や離職防止にも直結し、企業と社会の双方にメリットをもたらします。
大量輸送が可能な鉄道・船舶を使うことで、運搬効率が高まり、中長距離輸送ではコストメリットが得られるケースも少なくありません。荷主企業にとっては経費節減、私たち物流事業者にとっては業務効率化を図るうえで、有力な選択肢になります。さらに、交通渋滞が緩和されれば道路インフラの維持コストも下がり、社会全体の経済効果としても期待が高まるでしょう。
鉄道貨物駅や港湾設備が十分に整っていない地域では、モーダルシフトを導入しようにも物理的な制約があります。また、鉄道や船舶は天候や災害の影響を受けやすく、トラックのような「いつでも・どこでも」という柔軟性には劣る面があるのも事実です。
• 解決策の例: 政府や自治体が進めるインフラ投資を活用し、貨物駅の拡充や港湾設備の近代化を行う。荷主企業と協議のうえで、リードタイムに余裕を持たせるなど、スピード以外の価値を重視する取り組みを進める。
日本では「翌日配送」や「即日発送」が当たり前になっているため、鉄道・船舶の輸送スピードが相対的に遅いという点は、荷主や消費者にとって大きなハードルです。
• 解決策の例: AIやIoTを活用した在庫管理や需要予測により、余裕を持った配送スケジュールを組み立てる。輸送経路を複数パターン用意するなどリスクヘッジを行い、遅延時でも対応可能な体制を整える。
モーダルシフトには、初期投資や新たなオペレーション構築が必要となり、短期的にはコストがかさむ場合もあります。また、鉄道会社・船舶会社・荷主企業・物流企業など、多くのステークホルダーが連携して情報を共有するため、調整コストも発生します。
• 解決策の例: 政府や自治体の補助金や助成金、税制優遇などを積極的に活用しながら、企業同士が共同輸送や共同の施設整備を行うことで初期負担を分散する。デジタルプラットフォームを活用し、関係者間の情報共有をスムーズにする。
日本政府は、「グリーン物流パートナーシップ会議」や各種補助制度などを通じて、モーダルシフトを推進しています。具体的には以下のような施策があります。
• 補助金・助成金: モーダルシフト導入に必要な施設や車両、システムの整備費用を一部支援。
• 税制優遇: 環境負荷の少ない輸送を実施する企業への固定資産税・法人税の優遇。
• 規制緩和: 鉄道貨物や内航海運の利用を促進するための手続き簡略化など。
近年、異業種間での共同輸送や物流センターの共同利用といった取り組みも活発化しています。これにより、企業は単独では難しかった大量輸送や複合輸送の実現を容易にし、コスト削減やモーダルシフトのメリット享受を可能にしています。私たち小倉運送も、こうした連携の可能性を常に模索し、お客さまのニーズに合った輸送方法を提案するよう努めています。
IT技術の進歩は、モーダルシフト推進にも大きく寄与しています。リアルタイムで荷物の位置情報を把握し、AIで需要予測を行うことで、鉄道や船舶、トラックを組み合わせた複雑な輸送ルートでも高い精度で管理が可能になります。さらに、ブロックチェーン技術を使ってサプライチェーン全体のトレーサビリティを確保する動きも出てきており、今後ますます物流DXが進展すると考えられます。
日本だけでなく世界各国がカーボンニュートラルを目指す中、モーダルシフトは物流分野のCO₂削減を大きく前進させる原動力となるでしょう。さらに、電気トラックや水素燃料電池トラックなどの次世代車両が普及すれば、複合輸送の最後の区間でも排出量を抑えることが可能になります。
近い将来、トラックの自動運転技術が実用化されれば、夜間や長距離でのドライバー負担が大幅に軽減されます。これにより、トラックと鉄道・船舶を組み合わせた輸送がさらに柔軟に行えるようになるかもしれません。ロボティクス技術の発達とあわせて、荷役作業の自動化が進めば、労働力不足にも対応しやすくなるでしょう。
モーダルシフトは輸送手段の変化にとどまらず、サプライチェーン全体の再設計につながります。荷主企業と物流事業者、さらには消費者が一体となって「どの時点で、どれだけ在庫を持つか」「どの輸送モードを選ぶか」を最適化することで、無駄な輸送や在庫を減らし、社会全体の効率アップを図ることができるようになるのです。
ここまで読んでくださった学生の皆さま、いかがでしたでしょうか。モーダルシフトというキーワードは、環境問題や社会課題と直結しており、いま物流業界で最も注目されるテーマの一つです。これから就職や研究を考えている方にとって、いくつかお伝えしたいことがあります。
物流と環境は切り離せません。モーダルシフトを導入することでCO₂を削減でき、社会的課題の解決に直接関与できます。社会のために役立つ仕事がしたいという方にはピッタリのフィールドです。
AIやIoT、自動運転など、新しいテクノロジーが物流業界を大きく変えようとしています。モーダルシフトとDXが融合することで、これまでの常識を覆すサービスが次々と生まれる可能性があります。変化を楽しみ、チャレンジしたい方には非常に魅力的です。
北九州や福岡などの港湾都市は、海外とも結びついたハブとしての役割を担います。私たち小倉運送のような地域企業がモーダルシフトを通じて物流網を整備することで、地域経済と世界をつなぐパイプ役になれるのです。
モーダルシフトによる長距離輸送の分散や、ITを駆使した運行管理は、ドライバーやスタッフにとって働きやすい環境を生み出します。安定した労働環境でキャリアを築きたい方にとっても、物流業界は大きな可能性を秘めています。
「環境への貢献!CO₂削減に取り組むモーダルシフトの推進」というテーマで、私たち小倉運送の取り組みを含め、モーダルシフトの概要やメリット、課題、さらに今後の展望についてご紹介しました。地球温暖化対策やドライバー不足、交通渋滞といった課題を一挙に解消する可能性を秘めたモーダルシフトは、まさにこれからの物流業界をリードするキーワードといえるでしょう。
もちろん、導入にはインフラ整備やコスト、スピード面などさまざまなハードルがあります。しかし、政府・自治体の支援や企業同士の連携、そして技術革新が進めば進むほど、モーダルシフトの効果はさらに高まっていきます。私たち小倉運送も、GPSや自動配車システムを駆使して輸送の効率化を進めながら、Sea&Railなどの複合輸送サービスを拡大し、環境への配慮と経済合理性を両立できる物流を実現し続けたいと考えています。
将来を担う学生の皆さまには、ぜひこうした物流の変化や社会課題に目を向けていただきたいと思います。環境と経済を両立するモーダルシフトの取り組みは、単なる輸送手段の選択にとどまらず、私たちの暮らしを豊かにし、地域社会を活性化し、さらには国際競争力を高める役割も果たします。
もし物流に興味を持ってくださったなら、ぜひ一度、当社の取り組みや業界全体の動向を調べてみてください。就職活動や研究テーマの選定など、さまざまな機会が広がることでしょう。
私たち小倉運送はこれからも、「地球に優しく、人にも優しい物流」を目指し、社員一同で力を合わせてまいります。ともに次世代の物流を支え、持続可能な未来を切り拓いていきましょう。
皆さまのご関心とご協力を心よりお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。