私たち小倉運送は日々、「物流」の現場を切り盛りしています。しかし、ただトラックで荷物を運んでいるだけではありません。実は小倉運送には「鉄道コンテナ」を扱う技術とノウハウがあるんです。この“鉄道コンテナ”を活用できる会社は決して多くないため、大きな強みになっています。
物流の仕事といえば、トラックの運転手が全国津々浦々を駆け巡っているイメージをお持ちの方も多いでしょう。もちろん、それも大切な役割のひとつ。しかし実際には、運転以外の業務も膨大にあるのが“物流”のリアルな姿です。
今回は、そんな「運転だけじゃない物流の世界」を、弊社ならではの視点でたっぷりご紹介。
普段はなかなか目に触れることのない「鉄道コンテナ輸送」の裏側や、小倉運送がどんな一日を送っているのかをお伝えしていきます。
鉄道コンテナとは、簡単に言えば“貨物列車で運ぶことを前提としたコンテナ”のこと。普段、町中や沿線で走っている貨物列車を目にする機会があれば、積まれている四角い箱がまさにそれです。トラックだけで荷物を運ぶ場合、どうしてもドライバーの長距離運転や高速道路の渋滞リスクといった負担が大きくなりがち。一方で鉄道コンテナを活用すれば、専用の貨物列車に一度に大量の荷物を載せられるため、長距離輸送では特に大きなメリットが生まれます。
ただし、鉄道コンテナを気軽に利用できるわけではありません。貨物列車には座席予約のような“枠取り”が必要で、「何月何日の何時発の便に何本のコンテナを載せる」という手続きをきちんと踏む必要があります。また、駅構内での積み込み作業、列車が到着した後の荷下ろしやその先のラストマイル(目的地までの運送)をどうするかなど、トラック輸送とは違ったノウハウが求められます。
当社の場合、この「鉄道輸送 × トラック輸送」を組み合わせたプランを、経験豊富なスタッフがコーディネートしています。私たちが「運転だけじゃない物流」とお伝えするのは、この計画や手配、枠取り、駅での調整といった数々の“頭脳労働”が大きな比重を占めているからなんです。
たとえば、朝一番に各ドライバーが配達先へ出発したとしても、その後の指示がないとどの順番で届けるか、追加の荷物が出たらどう対応するかがわかりませんよね。ここで活躍するのが「配車係」と呼ばれるポジションです。配車係は大きく分けて以下のような業務を担っています。
このうち鉄道輸送を絡めた業務では、列車が遅延になっていないか、天候不良でダイヤが崩れていないかなど、細かいチェックも必要になります。配車係は、こうした情報をリアルタイムで取り込みながら「ドライバーAは予定より早く戻れるから、別の配送を頼もう」「列車が一便遅れるなら、その到着を待たずに別の手配を先に進めよう」といった判断を即座に行います。
そして、実際にトラックを走らせるドライバーとの“二人三脚”がなければ、どんなに綿密なプランも机上の空論で終わってしまいます。ドライバーが急に渋滞に巻き込まれたり、積み込み先で想定外の待ち時間が発生したり――物流の世界では予想外の出来事が連発するのが当たり前。だからこそ、電話や無線、GPSを活用して細かく連絡を取り合い、配車係とドライバーが一体となってスケジュールを更新し続ける必要があります。
こうした「運転手一人では回らない」「配車係だけでも回らない」という絶妙なバランスの上に成り立つのが、小倉運送の日常風景です。
では、実際に小倉運送で働くメンバーがどんな1日を送っているのか、具体的に覗いてみましょう。まずは午前中(AM)の様子です。
早朝にまず行うのが、JR貨物の運行スケジュールの確認です。天気予報や交通情報も合わせてチェックし、「本日は大雨でダイヤが乱れそう」「雪の影響で高速道路が一部通行止めになるかも」といった情報を共有します。鉄道コンテナを使う場合、貨物列車が遅れたり運休したりすると大幅な計画変更が必要なので、ここでの情報収集は重要ポイントです。
ドライバーたちは、早い人だと夜明け前から出発していることもあります。そこで配車係は「ドライバーAはすでに目的地付近」「ドライバーBは高速が混んでいて少し遅れそう」といった位置情報をつかみ、午前中にこなす配達の進み具合を把握します。
次に、朝の時点で確定している荷物やオーダーをもとに「誰がどこを回るか」「どの時間にどの駅へ荷物を持ち込むか」「鉄道コンテナの予約枠に間に合わせるにはどのドライバーが動くべきか」といった“作戦”を練ります。すべてを紙やExcelでまとめるのではなく、専用システムや社内連絡ツールを活用しながら、配車係とドライバーが絶えず連携。そのうえで、伝票や指示書を出力して渡すわけです。
朝一番の配達を終えてドライバーが戻ってきたら、次の集荷や配送先を振り分けます。もし他のドライバーが想定外に時間を要しているなら、そのぶんをカバーするようにスケジュールを組み替えることも。現場の判断が素早いほど、運行全体が円滑に回ります。
こうして午前中は「当日こなす分の運行計画を固めていく」ことに注力しますが、想定外の追加オーダーやトラブル対応でプランはたびたび修正されるのが常。実際のところ、“朝イチに作った計画が夕方には大幅に変わっていた”なんてことも、日常茶飯事です。
午前中に当日分の配送が一通り動き出すと、午後は少し先を見据えた作業が中心になります。
配達時間の変更や、新たな配達依頼、料金や見積もりの問い合わせが集中するのも午後が多い印象です。「このサイズの荷物をいつまでにどこへ運べるか」「料金はどのくらい?」といった相談に対し、トラックと鉄道コンテナのどちらがベターなのか、あるいは併用するのが効率的なのかを考えながら提案します。
ここでは配車係の知識や経験がフルに活きる場面。お客様に最適なプランを提示することで、「やっぱり小倉運送さんに頼んでよかった」と安心していただけるのです。
私たち小倉運送が強みとしている「鉄道コンテナ輸送」では、JR貨物のシステムを使ってコンテナ枠を予約しなくてはなりません。大口の荷物を送りたいお客様がいれば、「何時発の列車に何本載せるか」をすり合わせながら“席を取る”ように確保しておきます。
この手続きを怠ると、せっかくの荷物を当日に載せられない事態が起こり得ます。まるで新幹線の指定席を押さえるようなイメージですね。
鉄道コンテナを利用する際、小倉運送と同じような、鉄道コンテナを取り扱う同業他社との連携が欠かせません。たとえば、小倉運送が貨物駅に到着した鉄道コンテナを顧客のもとに輸送する場合、コンテナを発送した企業とコンテナのサイズや個数、積み下ろし場所や料金などについて事前に綿密な打合せを行うことで、現場での作業をスムーズに進められます。
また、ドライバーの売上管理や日報、請求書作成などの事務作業も午後にまとめて行われることが多いです。ITシステムで管理するとはいえ、最終的なチェックは手作業になることもあるので、どうしても集中力を要するポイントですね。
当日中に発送する荷物がある場合は、指定の貨物駅までコンテナを持ち込み、無事に列車へ載せるところまで確認します。ここで誤った伝票が貼られていないか、重量オーバーしていないか、積載時間に遅れていないかなどを厳重にチェック。もし何か不備があれば、その場で修正を行い、速やかに手続きを完了させます。
すべての荷物が問題なく駅へ届けられ、トラック配送分も当日の配達完了予定が立てば、ひとまず業務の大枠は終了。あとは翌朝の早い便に備えて、ドライバーにスタート時間を伝えたり、書類やシステム登録を最終確認したりして、1日を締めくくります。
以上のように、小倉運送では“鉄道コンテナ+トラック”という複合的な手法で荷物を届けています。しかし、この手法は常に想定通りにいくわけではありません。とくに日本は自然災害も多く、突発的な渋滞や列車の遅延に遭遇するのは珍しくないからです。
だからこそ、生きた情報を瞬時につかみ、プランを柔軟に変えられる対応力が求められます。そのダイナミックな動きこそが、私たちスタッフにとっての大きなやりがい。
「道が思ったより空いているなら、ドライバーBはもう一件集荷を回れそうだ」
「列車が遅れるなら、到着を待たずに別便で対応しよう」
こうした判断をテンポ良く下しながら、全員で予定を再構築していく。いわば“パズル”のような感覚で、毎日が新鮮な挑戦の連続とも言えます。
さらに、鉄道コンテナを使いこなして長距離輸送を行える点は、「環境への配慮」や「トラックドライバーの長距離負担軽減」といった面にも貢献できると考えています。大量輸送が可能で、CO₂排出量を削減しやすいという鉄道の特性は、今の社会が求めるサステナブルな物流を支える大きな武器。そこに私たちのドライバーや配車のノウハウが加わることで、お客様にも、そして働く私たち自身にもメリットが広がっていくのです。
ここまで、小倉運送の“運転だけじゃない物流”について、詳しくご紹介してきました。
・鉄道コンテナを扱うための枠取りやステーション管理など、トラック輸送とは異なるノウハウが活きていること
・その裏側では、配車係とドライバーが情報を絶えずやり取りしながら臨機応変にプランを組み替えていること
・午後には翌日以降の準備、顧客対応、JR貨物システムへの入力など、多岐にわたる業務が進められていること
私たちの仕事は、まさに「チーム力」なくしては回りません。すべてがスムーズにいったときの達成感や「こんなに大きな荷物が、予定通りに無事届いた」という安心感は、私たちがこの仕事を誇りに思う理由のひとつです。
そして、今後ますます必要とされるのが、鉄道コンテナを含む“複合輸送”の新しい形。ドライバー不足や環境への意識の高まりを踏まえれば、鉄道の強みを活かす機会はさらに増えると考えています。そのためには、枠取りの知見や駅構内での作業ノウハウなど、“運転以外の物流力”が欠かせません。私たちはその部分に力を入れながら、全国の荷物を最適に動かすための取り組みを続けていきたいと思っています。
もし、当社の取り組みに興味を持っていただけたなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。小倉運送ならではの取り組みや、現場でのチームワークの楽しさなど、実際に働くスタッフ目線でお話できることもたくさんあります。物流の世界には、一見地味に思われがちな業務が実はたくさんありますが、その裏側には“大切な荷物を滞りなく届ける”という大きな使命と喜びが詰まっています。
私たち小倉運送は、これからも「運転だけじゃない物流」を追求し、日本各地への荷物を支えていきます。鉄道コンテナを使った独自のサービスや、臨機応変な配車ノウハウを武器に、より多くの方々に「小倉運送で良かった」と感じていただけるよう、社員一同全力で取り組んでまいります。